土地代先行融資の審査とリスク
カテゴリー:住宅ローン
土地代先行融資について
土地代先行融資は、注文住宅を建てる際に、土地も一緒に購入する時に必要となります。
通常は土地を先に購入し、土地のローンを払いながら住宅を建築します。
当然ながら住宅のローンが融資されるのは住宅の竣工後(検査済証やフラット35適合証明書の取得後)です。
そのため、住宅の着工前に、土地のローンだけ先行して融資を受ける必要があります。
住宅ローンとのパッケージ化
銀行によっては、土地と住宅のローンをパッケージ化している場合もあります。
例えば、りそな銀行の「すまい・るパッケージ」などは、フラット35の申請と審査通過を前提に、先に銀行側のすまい・るパッケージで土地代だけを融資します。
当然ながら、この時点では住宅は着工すらしていないので、フラット35の融資は行われません。(上述したように住宅竣工後に得られる適合証明書がないとフラット35の融資は受けられません)
しかし住宅を着工するためには、まず土地を買わなければならないため、このような形態のローンが必要になるのです。
つまり、土地代決済時と、住宅竣工後の住宅代決済の2回の金消契約が必要になるわけです。
施主としては気を抜けないイベントが2回もある事になります。
土地代先行融資のリスク
土地代先行融資のリスクとしては、住宅の竣工が遅れた場合があります。
住宅を建てている間は、既に土地のローンの支払いは始まっているわけですから、必然的に現在住んでいる賃貸アパートやマンションの家賃と土地のローンとを、ダブルで払う事になります。
これは住宅の竣工が遅れれば遅れるほど、負担が多くなることを意味します。
例えば住宅の建築中に大地震が発生した場合、建築中の土地の液状化や、基礎が破損したり、構造用合板や断熱材などの建材が損傷し、住宅の着工や竣工が大幅に遅れる場合もあります。
但し、その時点で既に着工している場合は建築会社と交わした建築請負契約書に着工から引き渡しまでの期間が記されているはずですので(一般的に6ヶ月程度)、それが守られない場合は、建築会社側が竣工遅延による施主の損失額(遅延損害金)を支払わなければなりません。
逆に言えば施主は実質的には損をしなくて済みます。
従って、建築請負契約書にどのように記載されているかをよく把握しておく必要があります。
例えば建築会社側に起因した遅延は補償するが、地震などの自然災害による遅延は補償しないなどが例外として記されている可能性もあります。
最悪なのは、土地のローン支払いが開始し、住宅着工自体が遅れている場合です。
この場合、一般的には建築会社側が引き渡し遅延を補償するのは着工日からとなるため、着工前では建築会社側の責任は無く、着工が遅れれば遅れるほど、施主の負担が増して行きます。
もちろん東日本大震災などの特大の災害は異例中の異例です。
施主も建築業界も、誰も想定していなかったインシデントですから、誰も責める事はできませんね。
敢えて言えば、自然災害も土地代先行融資の大きなリスクであると言えます。
公開日時:2012年06月11日 21:57:31