住宅ローン控除で減額される住民税額の計算方法

カテゴリー:税金控除

住民税の所得金額を求める式

「所得金額」(給与所得の金額)は以下のように「収入金額」(給与等の収入金額)から「給与所得控除額」を引くことで算出できます。

「所得金額」=「収入金額」-「給与所得控除額」

※「収入金額」は「給与所得の源泉徴収票の支払金額」となり、毎月の給与明細の「課税対象額」の合計額になります。

※実際には「所得金額」は以下のページの計算欄の表に従い計算します。
手順2 収入金額等、所得金額を計算する|確定申告に関する手引き等|国税庁

※「所得金額」は「所得税法別表第五」の表からも確認できます。

住民税の課税対象額を求める式

「所得金額」が分かれば、「所得金額」から「所得控除額」を引くことで住民税の「課税対象額」が求められます。

「課税対象額」=「所得金額」-「所得控除額」

※「所得控除額」は基礎控除、配偶者控除、扶養控除、生命保険料控除、地震保険料控除等があります。

参考:住民税の所得控除一覧

例えば、配偶者控除のみを受けている場合は、「基礎控除(330,000円)」、「配偶者控除(330,000円)」を「所得金額」から引きます。

住宅ローン控除で減額される住民税額を求める式

「住民税の控除可能額」=「課税対象額」×0.05<=「所得税から控除しきれなかった金額」<=97,500円

この「課税対象額」に5%を掛けた額、または97,500円の少ない方が、所得税から控除しきれなかった金額に対する、「住宅ローン控除による住民税の控除可能額」となります。

所得税から控除しきれない金額を求める式

「所得税から控除しきれない金額」=「所得税における住宅ローン控除可能額」-「所得税額(前年のもの)」

実際の住宅ローン控除で減額される住民税額の計算例

年間の収入金額(総支給額から厚生年金や健康保険などの社会保険料を引いた金額)が345,6000円の東京都内に住むサラリーマンの場合で、給与所得以外の所得がなく、配偶者控除のみを受けている場合(妻の年収が380,000円以下)で、住宅ローンの年末残高が20,000,000円の場合の計算例は以下のとおりです。
※なお、「収入金額」は「給与所得の源泉徴収票の支払金額」を指します。

1.所得税の課税対象額の算出

年間の「収入金額」が3,456,000円の場合、収入金額から「給与所得」を計算し((3,456,000円÷4×2.8)-180,000円=2,239,200円)、更にそこから「所得控除」として基礎控除(380,000円)、配偶者控除(380,000円)を差し引くと「所得税の課税対象額」は1,479,200円になります。
※給与所得の金額は「所得税法別表第五」でも確認できます。

2.所得税額の算出

所得税率は「所得税の税率」を参照し、「195万円以下」に該当するので、「課税対象額」1,479,000円(千円以下切り捨て)に税率5%を掛けた金額73,950円が所得税額になります。

3.所得税から控除しきれない金額の算出

次に、住宅ローンの年末残高が20,000,000円の場合、住宅ローン控除の控除可能額は200,000円(年末残高の1%)となります。
従って所得税額73,950円は全額還付され、更に控除しきれない金額が126,050円残ります。

4.住民税の課税対象額を算出する

一方、住民税についは、住民税の課税対象額(課税所得金額)は所得税と同様に「年間の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額)」から「給与所得控除額」もしくは「特定支出額の合計額」のいずれか多い額を引いた金額(「給与所得」)に「所得控除(基礎控除、配偶者控除、扶養控除、生命保険料控除、地震保険料控除等)」を引いた金額になります。
「給与所得」の金額は所得税の計算時に所得金額を計算する表より算出した通り、2,239,200円であるため、ここから住民税の「所得控除」を引きます。

但し、所得控除額は所得税と住民税では異なる点に注意が必要です。


この例の場合、住民税の所得控除として「基礎控除(330,000円)」、「配偶者控除(330,000円)」を「給与所得」から引き、1,579,200円(2,239,200円-330,000円-330,000円)が住民税の課税対象額となります。

5.住民税の控除可能額を算出する

住民税の控除可能額は年間の課税対象額の5%または97,500円の少ない方となるため、この場合、年間の課税対象額の5%は78,960円(1,579,200円×0.05)となり、減額される住民税額は78,960円となります。

公開日時:2013年12月09日 16:25:36

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