コンクリートの養生と雨と雪の影響

カテゴリー:基礎工事

基礎や擁壁のコンクリートの打設はコンクリートの強度の低下を避けるために、雨や雪が降らない日を選んで実施されます。

雨天時の打設

まず、雨の日を避けるのは、コンクリートには水和反応という化学反応が発生する事があるためです。
水和反応はコンクリート中に必要以上の水分が含まれる場合に発生し、雨水の侵入などでこれが発生するとコンクリートの強度が落ちます。

打設後の雨の影響

ただし、コンクリートは打設から数時間程度経つと、表面や型枠外にある程度の水分が流れ出ます。
また、表面がある程度固まると水分を弾くため、打設後に水分が侵入することは基本的にありません。
そのため、打設時や打設直後に大雨が降っていなければ、打設の数時間後に雨が降っても大きな影響はありません。
このため、工期の関係などで、小雨程度であれば、打設を実施することはあります。

但し、強度に大きな影響はないとしても、表面にクラック(ひび割れ)やレイタンスが発生する場合はあるので、もしそのような状況が発生していれば、建築会社に問題がないか念の為に聞いたほうがいいでしょう。

参考レイタンスは内部の微細な粒子が浮上しコンクリート表面に形成するぜい弱な物質の層の事です。

打設後の雪の影響

しかし雪は別です。
雪が積もった場合、コンクリート中の水分が凍結し、それは後で気泡となり、コンクリート中に細かな空間を作る事になり、コンクリートの強度が大きく損なわれます。
いわゆる凍害と呼ばれるもので、高野豆腐のようにボロボロの状態になります。

降雪地域では、このような凍害を抑止するため、打設後に積雪を防止するためにテントや養成マットでコンクリートを覆い、夜間には投光器や練炭火鉢などでシート内の気温が下がらないようにします。

コンクリートの強度試験

なお、コンクリート強度は通常、コンクリート打設後28日目にシュミットハンマー試験で確認します。

参考コンクリートの強度は気温や天候、時期によって変わるため、打設後28日目の強度を基準にします。もしそれで強度に問題があれば一旦コンクリートを解体し、再度打設を実施するという事もあります。
これは当然ながら工期が大きく遅れる原因になります。

コンクリートの強度は N/mm2 (ニュートン・パー・平方ミリメートル)という単位で表します。
1 N/mm2は、10cm角の柱で約1トンの重さに耐えられる強さです。
一般的には強度が 18 ~ 21 N/mm2 の範囲であれば合格です。

公開日時:2013年01月13日 11:14:50
最終更新日時:2022年01月14日 11:11:19

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